2025.11.03
委員会活動
委員会活動紹介 第6回 木材活用委員会
令和7年度 木材活用委員会 委員長の外山です。令和7年8月29日、ZoomによるWEB配信にて「第2回 木材・木造DX事例紹介セミナー」を開催しました。
当委員会で担当する「木材活用コンクール」は、木材の新たな利用や普及の可能性を探ることで、木材業界の発展に寄与することを目的に、平成9年に創設され、今年で第29回目を迎える伝統あるコンクールです。国産木材の利用促進を掲げた法整備や、SDGs・脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進む中、木材の価値と可能性は今、社会的にも大きな注目を集めています。本コンクールでは、建築物や木質空間、木製品、創造的な木材活用事例まで幅広く募集しており、木の持つ魅力を活かしながら、未来につながる木材活用のあり方を表彰することを目指しています。
「第29回木材活用コンクール」では、木材産業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を新たな審査基準に加え、デジタル技術を活用した業務改善、商品開発、設計・施工などの革新的な取り組みを積極的に評価して参ります。また、新設された「DX賞」もその一環であり、業界内の挑戦と変革を後押しするものです。
DXへの理解を深めるために企画された本セミナーシリーズは、第1回・第2回と2回構成で開催されており、第1回では「建築分野におけるDX」をテーマに、BIMや3D CAD、構造計算ソフトなどを活用した設計・施工の効率化に関する事例をご紹介いただきました。そして、今回の第2回では、「林業DX」を中心テーマに据え、より上流工程での実践的なデジタル技術の活用に光を当てています。まだまだ木材産業全体ではDXが十分に浸透しているとは言えない状況下で、川上分野におけるリアルな実践事例を共有することで、業界全体のDX推進につなげて行くことを目的としています。
第2回DXセミナーでは、「株式会社 柴田産業 代表取締役 柴田 君也様(岩手会団OB)」「株式会社 瀬口林産 代表取締役 瀬口 聖也君(宮崎会団会員)」のお二人に講師としてご登壇頂きました。いずれも現場に根ざしたDX活用を実践されており、非常に実務的で説得力ある内容となりました。
柴田先輩からは、林業における5つの課題(森林調査、素材生産、流通・販売、再造林、労働力確保)を整理した上で、それらに対応するDXの具体的事例として、レーザードローンを活用した事前調査、林道自動設計、次世代型ハーベスタ・フォワーダ(CTLシステム)導入による軌跡・集材量・樹種のリアルタイム可視化などをご紹介いただきました。導入の結果、作業精度や安全性の向上だけでなく、ミスの削減や省人化も実現し、若手・未経験者でも業務遂行可能な環境が整備されてきているとのことです。
一方、瀬口君からは、自社開発された「グランディー」という土地情報管理アプリの事例が紹介されました。山林調査の現場で誰もが直面する「境界が分からない」「現在地が不明」といった課題に対し、驚異の高精度(誤差500円玉程度)で現在地や境界を可視化できるアプリであり、誤伐防止や準備作業の時間短縮(1時間→5分)、土地調査(2日→10分)などに大きく貢献しているとのことです。再造林にも利用可能で、適切な植栽距離・本数を自動算出する機能も実装されており、業務効率の面でも最大94%の時間短縮、99.6%のコスト削減を実現したとの報告がありました。
お二人の講演から特に印象的だったのは、DXとは決して目的ではなく、現場の課題を見直し、前向きに改善していくための「手段」であるという点です。作業効率の向上や人手不足の補完だけでなく、「誰もが使いやすく、属人性を減らす仕組みづくり」につながっているという現実的なメリットが随所に感じられました。木材産業が今後も継続的に進化していくためには、こうした足元からの実践と小さな変革の積み重ねが何より重要であると、改めて実感させられる内容でした。
次回は、令和7年11月15日(土)に「木材活用DX未来会議」を開催予定です。DX事例の紹介に加え、登壇者3名によるパネルディスカッションも行い、さらに深い議論を展開してまいります。リアルとオンラインのハイブリッド形式で開催いたしますので、ぜひご参加ください。また、「第29回木材活用コンクール」では、従来の木造建築や木製品に加え、国産材の需要拡大や高付加価値化を目指す「木材活用プロジェクト(ソフト事業)」も新たに募集対象としています。応募数目標200件を目指し、業界全体で盛り上げていければと思います。広報活動へのご協力もよろしくお願いいたします。
最後に、本セミナーにご協力いただいた講師のお二人、ご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。
木材活用委員会 委員長 外山 勝浩







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