2025.12.01

安藤きらり氏コラム

【安藤きらり氏コラム】みどりの大使の『木育日記』 第3回

「ゲームが拓いた子どもたちと森の未来」

子どもたちに森林の大切さや、林業がどんな仕事なのかをもっと知ってもらいたいという思いで、愛媛県の泉小学校と広見中学校を訪れました。私は一年間、「子どもたちと森林の架け橋になる」ということを自分の軸として活動してきたので、今回こうして愛媛県のたくさんの子どもたちと会い、直接お話しできたことは本当に嬉しく、胸がぽっと温かくなるような時間でした。

今回は「きこりものがたり」と「セーザイゲーム」という二つのボードゲームを通じて、楽しみながら学びを深めました。これらは森林を守ることの大変さや、木を育てて仕事にしていく流れがぎゅっと詰まったゲームです。

「きこりものがたり」では、木のカードを用いて、豊かな森を育てます。その中で、災害が起きるかどうかを決めるカードを引く場面があります。そのカードをめくる瞬間、子どもたちの表情は一気に真剣になって、手の動きもそっと慎重になります。そして「SAFE!」のカードが出た瞬間には、「やった!」「よかった〜!」と、ぱっと笑顔がはじけて、空気が明るくなりました。「災害が起こらないって、こんなに嬉しいことなんだね」という小学生の言葉に胸が熱くなりました。

次に取り組んだ「セーザイゲーム」は、競りを行い上質な丸太を手に入れて、そこからどれだけ材を取れるかを考えるゲームです。木取りの向きをくるっと変えるだけで結果が大きく変わるので、子どもたちは「えっ、向きを変えただけでこんなに違うの?」「こっちの方がいっぱい取れるじゃん!」と、目をキラキラと輝かせながら挑戦していました。たくさん材が取れると、みんなで「おお〜!」と声が上がり、ゲーム盤の周りがぱっと明るくなる瞬間が何度もありました。

ゲームを通じて子どもたちが学んだことは、単に「林業の仕事は大変」というだけではありませんでした。森を育てるには長い時間がかかること、災害が起きてしまうとせっかくの努力が一瞬でなくなってしまうこと、そして木を使うときも効率よく大切に扱う工夫が必要であること。ひとつひとつの選択を大事にする姿勢や、仲間と相談しながらより良い方法を探すことの大切さも、自然に身についていったように感じました。それは、将来林業の道に進むかどうかに関わらず、社会に出たときにきっと役に立つ力になると強く思いました。

そして何より、林業が身近な地域で暮らす子どもたちに、森林のことを知ってもらえたことがとても嬉しかったです。「森林は日本の宝」であり、未来の社会を支える大きな力です。子どもたちが日本の自然や森に目を向けるきっかけになってくれたのなら、こんなに幸せなことはありません。森を守り育てていくことの大切さや面白さを、これからも日本の宝である子どもたちに伝えていきたいと思います。

セーザイゲームのレクリエーション中。

丸太の競りでは、各チームが希望買取価格を大声で叫んでいる様子が印象的でした。

セーザイゲームの木取りの様子。気付いたら周りにいた大人も真剣に考えていました。

きこりものがたりは小学生向けに行いました。

ゲームの後は、何を学んだか、これからどうしていくべきか等、話し合う時間を設けました。

最後は小学一年生と給食を食べました。

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