2025.12.01
協賛企業紹介
令和7年度協賛チヨダウーテ株式会社様
「廃棄を資源に変える」――チヨダウーテ株式会社が描く循環型社会への挑戦
建設現場や解体現場で大量に発生する「廃石膏ボード」。かつては再利用が難しく、その多くが管理型処分場に埋め立てられてきました。環境負荷の高さが問題視される中、全国で資源循環の先頭を走るのがチヨダウーテ株式会社です。同社は、石膏ボードの再資源化を核に、建材業界の脱炭素化・循環型社会の実現を目指しています。

1948年に三重県で創業したチヨダウーテ株式会社は、現在、北海道から九州まで全国5工場5支店を展開。2006年には世界最大の石膏ボードメーカー「Knauf社」と資本業務提携を結び、2022年からはKnaufグループの一員としてグローバルな視点から事業を推進しています。同社が掲げるビジョンは明快です――
「完全リサイクル可能で、世界で最も環境に優しい石膏ボードと建築ソリューションを提供する」。
この理念を形にするために取り組んでいるのが、「廃石膏ボードのリサイクル」です。2013年に株式会社トクヤマ・チヨダジプサムと共に「ボードtoボード」プロジェクトを開始しました。廃石膏ボードを中間処理・再資源化し、再び石膏ボードの原料として蘇らせる水平リサイクルの仕組みです。現在は室蘭、千葉、四日市の3拠点にリサイクルプラントを整備し、循環型モデルを確立しています。

さらに、2023年には世界初となる廃石膏ボード100%原料使用の「チヨダサーキュラーせっこうボード」を発売しました。製造工程ではバイオマスボイラーと再生可能エネルギー電力を使用し、実質カーボンニュートラルを実現。第三者機関による環境認証(EPD)では、従来製品※1のCO₂排出量が約3.0kg/㎡に対し、サーキュラーボードは約1.1kg/㎡と約3分の1に削減されています。これは、杉の木約3,100本分のCO₂吸収量に相当する削減効果です。
※1:J-CAT 2025.8正式版(v2.2)に記載の石膏ボード原単位を使用

同社は、単なる製品開発にとどまらず、業界全体を巻き込んだリサイクル循環の仕組みづくりにも注力しています。森ビル株式会社、株式会社船場、株式会社トクヤマ・チヨダジプサムと連携し、解体現場から発生した廃石膏ボードを回収・再資源化し、再び建築現場で使用する「水平リサイクル実証実験」を実施。2025年度には1万枚を超える再生ボードを使用する計画が進んでいます。また、大阪・関西万博の複数パビリオンや、大手デベロッパー、商業施設、住宅メーカーでも採用が広がり、「廃棄しない建材」の新たな常識が形になりつつあります。
再生ボードは何度でもリサイクル可能で、建物の寿命(約50〜60年)ごとに循環利用できる「無限ループ素材」になりつつあります。同社では、受け入れ時の基準を設け、濡れや汚染のない石膏ボードを優先的に再資源化。埋め立て処分よりも低コストで環境負荷が小さい処理が可能です。競合他社も追随を始めていますが、同社はこの分野のパイオニアとして確固たるリードポジションを築いています。

「都市には、もう一つの鉱山がある」――同社が語る“都市鉱山”という言葉は、既存建物を新たな資源と見立てる発想を象徴しています。天然資源に依存しない社会、そして循環経済への道筋を、同社のリサイクル技術が現実のものにしつつあります。
製品コストは現状で従来品の約2割高ながら、量産化により大幅に低減中。環境配慮を優先する企業や自治体からの評価も高く、導入事例は年々増加しています。

チヨダウーテ株式会社の挑戦は、建材業界のみならず、日本の環境政策の未来を支える実践的モデルケースとして注目を集めています。



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