2026.03.23
委員会活動
委員会活動紹介 第9回 第29回木材活用コンクール最終審査会開催

令和8年3月8日、㈱内田洋行にて「第29回木材活用コンクール」の最終審査会が開催されました。
本年度は、A1部門68作品、A2部門53作品、B1部門45作品、B2部門51作品、合計217作品と、全国から非常に多くの応募が寄せられました。建築分野からプロダクト、地域活動に至るまで、多様な切り口で木材活用の可能性を示す作品が揃い、本コンクールの広がりと関心の高まりを改めて実感する結果となりました。

審査においては、木の良さが十分に活かされているかという点に加え、木材の新たな用途の普及につながるものであるか、建築物の木造化・木質化への波及効果が期待できるかといった観点から評価を行いました。さらに、木材利用を通じて豊かな暮らしや社会の実現に寄与しているか、環境負荷低減や地球環境への貢献が適切に発信されているかといった点も重要な評価軸としています。加えて本年度は、設計・施工・流通・加工といった各工程におけるデジタル技術の活用など、時代性を踏まえた革新性についても新たな評価項目として審査を行いました。
予備審査は14名の審査員により行われ、A1部門47作品、A2部門32作品、B1部門26作品、B2部門25作品、合計130作品が最終審査へと進出しました。
本年度の審査体制は、審査委員長に首都大学東京(現 東京都立大学)名誉教授の深尾精一氏を迎え、建築・デザイン・行政・流通など多様な分野から構成されています。また、本年度は新たに以下の4名の審査員が加わりました。(五十音順)
・東京大学 工学系研究科 建築学専攻 特任教授・建築情報学会 会長
池田靖史氏
・大西麻貴+百田有希 / o+h 共同主宰・横浜国立大学大学院 教授
大西麻貴氏
・宇都宮大学 地域デザイン科学部 建築都市デザイン学科 教授
中島史郎氏
・ビルディングランドスケープ 共同主宰・芝浦工業大学 建築学部 建築学科 教授
山代悟氏

多様な専門性を有する審査員による議論は非常に活発で、それぞれの視点から作品の価値が深く掘り下げられる審査会となりました。
A部門では、建築物や木質空間を対象に、木材の構造材としての活用や地域材の利用などに加え、木材利用の意義や社会への波及効果といった観点から評価が行われました。木材の特性を活かした設計や、木ならではの空間づくりなど、実用性と魅力を兼ね備えた作品が多く見られました。
一方、B部門では、家具やプロダクト、木材活用プロジェクトなど、日常の中で木材の魅力を体感できる作品が多く集まりました。特に木材活用プロジェクトにおいては、運営の想像を超える取り組みが全国で展開されており、木材利用の新たな広がりと可能性を強く感じる内容となりました。

また、本年度より新設されたDX賞については、運営としても応募状況や評価のあり方について一定の不安を抱えながらのスタートとなりました。しかしながら、実際にはデジタル技術を活用した先進的かつ実効性の高い取り組みが複数見られ、木材産業の未来を感じさせる提案が集まりました。その中から、本賞にふさわしい作品を選定することができたことは、大きな成果であったと感じています。
全体的に非常にレベルの高い作品が多く、評価が拮抗する作品も多く見られましたが、審査は終始円滑に進行し、各作品について丁寧かつ的確な議論が行われました。審査員それぞれの専門的見地から意見が交わされ、作品の価値が多角的に整理された、充実した審査会となりました。

受賞作品の詳細については、令和8年4月1日に木材活用コンクールホームページにてプレスリリース予定です。また、令和8年6月13日には全国会員関東大会において、表彰式を開催いたします。あわせて、「木力コレクションR7」として一年間の活動成果を発信する場を設けており、その中でコンクールの受賞作品説明会ならびに受賞作品のパネル展示を実施いたします。さらに「木力コレクションR7」では、世界の木造建築研究の最前線で活躍するスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)教授 Yves Weinand氏と、コンクールの審査員も務められた東京大学大学院工学系研究科教授 池田靖史氏をお迎えし、「木力が切り拓く木質構造の未来」をテーマに特別講演を開催いたします。ぜひ多くの皆様にご来場いただき、『木力 ― 木の力が世界を変える』をテーマに取り組んできた一年間の集大成を直接ご体感いただけますと幸いです。

本コンクールは、日本木青連の活動の中でも社会との接点が大きく、木材の価値を発信する重要な事業の一つです。今回の最終審査会を通じて、木材利用の可能性の広がりと、その価値を社会へ伝えていく重要性を改めて実感する機会となりました。
応募いただいた皆様、そして審査にご尽力いただいた審査員の皆様に加え、本事業に深いご理解とご支援を賜りました協賛企業・後援団体ならびに関係各位の皆様に、心より感謝申し上げます。今後も本コンクールが、木材業界の未来を切り拓く一助となることを心より願っております。
木材活用委員会



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