2025.11.03
安藤きらり氏コラム
【安藤きらり氏コラム】みどりの大使の『木育日記』 第2回
一粒の種から始まる森林づくり
ミス日本みどりの大使として森や木と関わる中で、「木を育てること」こそ、木育の原点だと感じたことがあります。今回は山梨県富士吉田市で苗木生産を行う明見緑化様へ視察に行った際に感じたことをお話しします。
林業のサプライチェーンは「川の流れ」にたとえられることがあります。
原料を扱う「川上」、製品をつくる「川中」、販売や利用を担う「川下」。
明見緑化様は、その中でも森林づくりの出発点である「川上」を担い、森の命を生み出す大切な役割を果たされています。
苗木(なえぎ)とは、木の幼い姿です。
私たちが当たり前のように目にしている美しい森も、もとをたどれば一粒の種から始まります。
その種を見せていただくと、冷蔵庫で大切に保管されていました。発芽能力を保つために、温度や湿度を細かく管理しているそうです。中でも印象的だったのは、カラマツの種。松ぼっくりの中に隠れており、温度を調整して開かせ、手で一粒ずつ取り出すと聞き、その手間と丁寧さに驚きました。
何気なく見ている木々の背景には、こうした地道な努力があるのだと実感しました。
圃場では、カラマツやサクラなどの苗木を見せていただきました。整然と並ぶ苗木は、まるで小さな森のよう。コンテナ苗やポット苗など、それぞれ根の形や育て方が異なります。
「苗木の値段はいくらくらいだと思いますか?」という質問を受けましたが、実際の価格は想像よりずっと低いものでした。そのとき感じたのは、“森を育てる仕事”の価値が、まだ社会に十分伝わっていないということ。利益だけでは測れない大切な仕事が、ここにあると感じました。
さらに大きく育った苗木も見せていただきました。私の上半身ほどに伸びた苗木は力強く、生命のたくましさを感じます。しかし、ただ大きければよいわけではなく、運搬や植栽を考えると“ちょうどよいサイズ”が最も価値が高いそうです。現場で一本ずつ長さを測る姿に、日本の森林がこうした丁寧な手仕事で支えられていることを改めて知りました。
今回の視察を通じて、苗木生産の現場には多くの工夫と努力があり、それが未来の森をつくっていることを学びました。
そして何より、この現場の学びを子どもたちにも伝えたいと思いました。
森は今日を生きる私たちだけでなく、次の世代に受け渡す大切な財産です。
一粒の種から始まる森の物語を、未来へつないでいきたい。
そう強く感じた視察でした。
明見緑化様、丁寧なご案内をありがとうございました。

視察をきっかけに、松ぼっくりを見る視点が変わりました。

こどものように愛情を込めて大切に育てている姿が印象的でした。

毎日成長する木を見ることが、日々の楽しみとおっしゃっていました。

最後に木材市場を訪れた際は感動しました。



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