2026.02.24

宮本義昭氏コラム

【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第13回

生産性向上~自社へのAI導入:CosBE社

はじめに

巷ではAIが大ブームとなり、毎日、AIという言葉を聞かない日は無くなりました。

現在のAIブームの先駆けになったのがOpen AI社のChatGPTですが、その後、Google、Meta、など大手テック企業やベンチャー企業が大量に参入してきています。

既にこうした汎用AIを活用されている方は多いと思いますが、今回ご紹介したいのは自社へのAI導入、自社独自のAI導入を支援してくれる企業のご紹介です。

CosBE社:中小企業の経営にAI導入活用を支援する

CosBE社は大手テック企業とは全く異なるアプローチを取っており、顧客も中小企業に重点を置いています。

AI導入となると、しかも、独自AIなんて、とても無理と思われるかもしれませんが、現在のAIの開発は大規模汎用AIと特定事業、業務、に特化した小規模特化型AIの2つの方向性があります。

後者の小規模特化型AIの話しはあまりマスコミ報道されることが無いのでご存知無い方が多いかもしれませんが、CosBE社は中小企業向け、小規模特化型AIに注力しています。

AIトランスフォーメーション

このAIトランスフォーメーションという言葉も最近、経営者に向けてよく言われるようになりました。CosBE社はAIトランスフォーメーションを下記の様に捉えています。

また、AIトランスフォーメーションに何故今すぐ取り組まないといけないか、については下記の様な視点で主張されています。

ところでそもそもAIとは何か?

Copilot Searchに聞いてみると、

「人間のように学習や判断、問題解決を行うことができるコンピュータシステム」と答えてきます。古くはコンピュータ自体がAIと呼ばれた時代がありました。その後1980年代にはエキスパートシステムというシステムが提案され、AならばB、BならばCといったルールをルールベースのデータベースに登録しておくと、システムがそのルールに沿って答えを導出してくれます。当時はこれがAIと呼ばれており、日本製鉄の高炉の制御支援で使われたり、私も新人時代にネットワークの障害箇所を特定するシステム開発をしていました。

1990年代に入ると日本の富士通やNECで人間の脳の仕組みをモデル化したニューラルネットワークという発想のAIが提唱されました。ところが、当時のコンピュータでは処理性能が低くて実用化には至りませんでした。その後日本はバブルが崩壊し、日本が先行していたAI関連研究者や技術者は米国、韓国、中国、台湾に流出してしまい、これが日本のITの進化を遅らせた原因の1つではないかと私は考えます。(もちろんこれだけではありませんが)

そして、2000年代に入ると機械学習が進化し始め、迷惑メールの判定やWebページの解析で使われるようになりました。機械学習とはデータからパターンや規則を学習し、入力したデータの判定を行うものです。これも私が検索エンジンの開発に携わっておる時に飲食店のWebページの判定に活用していました。例えばクーポンのあるページの判定やメニューページ、商品詳細のページなどの判定を行い飲食店検索エンジンに反映していました。

2010年代に入るとGoogleが深層学習(ディープラーニング)という技術を使い、犬と猫の判定を高い精度で行い、多くのIT業界の人達に衝撃を与えました。これからの進化は早く、OpenAIのGPTは下記の様なバージョンを次々とリリースしていきました。

GPT-1: 2018年

GPT-2: 2019年

GPT-3: 2022年11月

GPT-3.5: 2023年3月

ChatGPT: 2022年11月(初代モデル)

このChatGPTはチャット形式でAIと対話ができること、回答が人間並みであること、など大変話題になり、ここから現在のAIブームが始まったといえます。

ところでそもそもAIとは何か?

生成AIもAIの一種ですが、その名前のとおり、人間の指示にしたがって文章、画像、音声、などを生成する事できます。よく報道で簡単な指示でメールの文章を作ってくれたり、画像を作ってくれたり、音楽を作ってくれたり、・・・と様々な驚きの機能が紹介されていますが、これが生成AIの特徴であり、凄いところです。

重要な点は単に生成しているだけではなく、その背景にはネット上の情報を大量に学習している点です。でたらめに生成しているわけではなく、過去のデータから作り出しているというところが素晴らしい点です。

ですから、単に業務の効率化だけではなく、経営や企画、設計の壁打ち相手、アイデアを膨らませるツールとしても活用できます。

大手自動車メーカーのBMWでは例えば、「4輪駆動のセダンタイプの4人乗り電気自動車を設計して」と入力すればBMW風の4人乗りの電気自動車の3D画像、部品への展開図、製造原価などが出てくるそうです。

更に「モーターが2つ使われているようだけど1つにして」、と指示すればモーターが1つの設計図及び製造原価(製造原価がXXX円削減できました!)と返してくるそうです。

このシステムはCAD、CAMシステムやBOM(部品表)、工作機械、などとも連動しており、設計を終了すればすぐに製造ラインが立ち上がるとの事です。

日本の自動車メーカーはCADで3D設計しても、そこからイチイチ2Dの図面に手作業で落とし、工作機械に工作機械独自の指示言語で部品の加工方法を伝える、とかしていますが、大丈夫でしょうか?また部品表の整備やデータベースも無いので製造原価もわからず結局スーパーエンジニアが図面や加工方法を吟味して長時間かけて算出するしかないようです。

林業、木材業の世界では住宅の設計で使われるようになるかもしれませんね。3Dで顧客とイメージを共有しつつ、手戻りの無い設計を実現します。

そして、設計すれば、部品に展開し、製材品は製材工場へ、合板品は合板工場へ、集成材は集成材工場へ発注がかかり、工場とのやり取りも自動化され全体のスケジュールが自動で作成され、プレカット工場や大工さん、電気設備会社、基礎工事会社へ発注指示が出るかもしれません。

生成AIを強化する2つのテクニック

生成AIは汎用的な情報には強いという印象がありますが、企業独自の専門的な情報をAIに反映させるにはどうしたらようでしょうか?

実はRAGとファインチューニングという方法を使えば、AIをゼロから大量のデータを読み込ませて学習させる必要はありません。

どちらもChatGPTのような汎用大規模システムを利用することが可能であり、ゼロから大規模な開発を行うことなく、AIに企業独自の情報を活用させるための現実的、かつ、有効な選択肢となります。

下記、CosBE社資料から転載しておきます。

生成AIを強化する2つのテクニック

エージェンティックAIとは、従来のAIが「誰かの指示に応える」という「指示待ち型」であったのに対して、「目的達成型」の自律的なAIです。

エージェンティックAIに最終的な目標を指示すれば、自ら考えて必要なタスクに分解し、実行し、その結果を統合して最終的な答えを導き出します。これはかつてAIの精度を高める為に人間が手動で行っていた「タスクの分解」「順次の実行」「結果の評価」「再調整」といった複雑なプロセスをAI自身が自律的に行えるようになったということでしょう。

このようにエージェンティックAIは人が考えて実行しなければいけなかった領域までAIが踏み込み始めており、企業の生産性を飛躍的に高めることができる可能性を秘めています。

例えば、製材業の場合、最近ちょっと在庫が増えてきているから売りさばかないと、と思ったらエージェンティックAIに「現在の在庫を来月までに半分にして」と指示すれば、在庫商品を過去に購入してくれた顧客を調べて、一覧化したり、ホームページのTOPページの先頭に在庫一掃セールの記事を掲載してはどうか、と提案してきたり、工務店向けにWeb広告の掲載を提案してきたりして、内容が良ければ、「やっておいて」と返答すれば、過去の顧客に製品購入をお薦めするメールが自動で送信され、ホームページに在庫一掃セールの記事を自動で掲載し、工務店向けのWeb広告を自動で掲載する、などの事ができるようになるでしょう。

・何故、自社でAI活用が進まないのか?

CosBE社では日本でAI活用が進まない理由を下記の様に捉えています。

・AI導入で陥りやすい失敗の3つのパターン

CosBE社ではAI導入で陥りやすい失敗を3つのパターンに整理しています。

AIトランスフォーメーション:成功の4原則

 CosBE社ではAI導入に成功する為の4原則を下記の様に提案しています。

AIトランスフォーメーションを成功に導く4つのステップ

 CosBE社ではAIトランスフォーメーションを成功に導くステップを下記の様に提案されています。

 ①ステップ1:自社のAI活用の現在地を確認する

②ステップ2:経営課題を明確にする

AI導入ありきではない「本質的な課題特定」が重要です。DXもAI導入も知らない間に導入ありきとなってしまって、重要な経営課題が解決できなかったという不幸な事例を多々見てきましたし、軌道修正をしたことが自分自身でもありました。

③ステップ3:解決策の立案とMVP戦略

 課題を特定したら、それをAI技術でどう解決するかを設計します。ポイントは課題解決につながる最小単位に絞ることが重要です。そして、成果を測定できる範囲を設定し、現場で使ってもらえる様に設定します。MVP(最小実行可能プラダクト)の最大の意義は動かしながら学ぶことです。

 また、新しいことをする時はスモールスタートが大原則です。新しい事業や新しい業務を始める時はなるべく小さくスタートすることが秘訣です。早く立ち上げ、ブラッシュアップしていき続ける事が肝要です。

④ステップ④:実装と継続的改善

 具体的には下記の様に進めます。

・ 最後に

今回は中小企業を中心にAI導入の支援をされているCosBE社のご紹介をさせて頂きました。AIが流行っているが自社のどこに導入したらいいかわからない、自動化、省人化したい業務はあるが、AIで実現できるかどうかわからない、という事は多々あると思います。何かできそう、でも構いませんのでこうした企業にご相談されるのも一手かと思います。今後も皆様の生産性向上に役立つツール、機械、企業、などをご紹介していきます。

以上、ご関心あれば下記までご連絡下さい。

宮本義昭:メールアドレス:ym00876216@gmail.com

(過去のコラム)
第1回:人手不足対策、地域の空き家問題対策、リフォーム事業拡大
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第1回 – 日本木材青壮年団体連合会
・海外人材紹介と定着サービス:フューチャーデザインラボ社のご紹介

第2回:少子化問題と木材産業の成長
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第2回 – 日本木材青壮年団体連合会
・中堅中小企業の売上利益拡大を支援:Revitalize社のご紹介

第3回:リプレイス大作戦その1~石炭の代替
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第3回 – 日本木材青壮年団体連合会
・林業コンサルティング会社:KOSO社のご紹介

第4回:リプレイス大作戦その2~外材の代替
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第4回 – 日本木材青壮年団体連合会

第5回:リプレイス大作戦その3~天然ガスと石油の代替
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第5回 – 日本木材青壮年団体連合会

第6回:リプレイス大作戦その4~外材、化石燃料以外の代替
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第6回 – 日本木材青壮年団体連合会 

第7回:生産性向上~林業 育林コストの大幅な削減
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第7回 – 日本木材青壮年団体連合会

第8回:生産性向上~林業 森林所有権の集約
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第8回 – 日本木材青壮年団体連合会

第9回:生産性向上~林業 10年後のあるべき森林管理をめざして 
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第9回 – 日本木材青壮年団体連合会

 第10回:生産性向上~林業 10年後の素材生産
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第10回 – 日本木材青壮年団体連合会

第11回:生産性向上~木質資源のエネルギー活用
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第11回 – 日本木材青壮年団体連合会

第12回:生産性向上~NPO法人 蔵前バイオエネルギーの取組
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第12回 – 日本木材青壮年団体連合会

(所属企業、団体)
株式会社バルステクノロジー 代表取締役社長
兼 株式会社KOSO アドバイザー
兼 日本木材青壮年団体連合会 広報委員会アドバイザー
兼 株式会社Revitalize アドバイザー
兼 株式会社Dione アドバイザー
東京科学大学(旧東京工業大学)基金特別会員
プラチナ構想ネットワーク 法人会員
先進EP研究会 会員
Asagiラボ 賛助会員
東海バイオコミュニティ 法人会員
林野庁 森ハブ・プラットフォーム会員
東京丸の内イノベーションプラットフォーム林業分科会
蔵前バイオエネルギー 正会員

(拙著:代表作)
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