2026.01.14

活動紹介

活動紹介 「中大規模木造建築の可能性 ― 新しい木質構造材と地域材活用の展望 ―」セミナー

セミナー開催「「中大規模木造建築の可能性 ― 新しい木質構造材と地域材活用の展望 ―」

総務委員長 宮田 昌幸

令和7年12月16日、東京都江東区の木材会館6階小ホールにおいて、東京木材問屋協同組合様と日本木材青壮年団体連合会(日本木青連)の共催により、「中大規模木造建築の可能性 ― 新しい木質構造材と地域材活用の展望 ―」をテーマとした講演会を開催しました。当日は70名近くの方にご参加いただきました。


講師には、地域材を活用したNLT(Nail Laminated Timber)の研究に取り組まれている、宇都宮大学 地域デザイン科学部 建築都市デザイン学科の中島史郎教授をお迎えしました。都市部を中心に中大規模木造建築が増加する中、CLTやNLTといった新しい木質構造材の性能や活用事例について、木造建築を取り巻く法制度の変遷や技術的進展を踏まえながら、木造建築の最前線を分かりやすくご解説いただきました。参加者にとって大変学びの多い時間となりました。

<講演会の様子①>
<宇都宮大学地域デザイン科学部・建築都市デザイン学科 中島史郎教授>

 講演の前半では、建築基準法の変化とともに、木造建築がどのように発展してきたのかについて、歴史的な背景を交えながらご説明いただきました。「木造建築は危ない」「大きな建物には向かない」といった固定観念は、制度や技術の整備が十分でなかった時代の名残であるというお話が印象的でした。現在では、研究や実験が積み重ねられ、安全性に関する検証も進み、木造でも中大規模な建築物が実現できる段階に入っているとのことでした。

<講演会の様子②>

後半では、国内外における最新の木造建築事例が紹介されました。5階建て、10階建て規模の木造建築が実際に建設されており、耐震性や耐火性に関する工夫によって、高層化の可能性が広がっていることが示されました。木材の強度や接合部の仕組み、火災時の燃え方などについて、科学的根拠に基づいた説明が行われ、木材が持つポテンシャルを改めて実感する内容でした。

また、木造とRC造、S造を組み合わせた混構造の研究も進んでおり、さまざまな工法が生み出され、実際に混構造の建築物が各地で増えてきていることも紹介されました。さらに、NLTやDLTといった、いわゆるマスティンバーと呼ばれる木質材料の開発が進んでいる点についても触れられ、森林資源に恵まれた日本において非常に重要な取り組みであるとともに、木造建築の将来に対する明るい展望が示されました。

<冒頭挨拶をする 日本木青連 長谷川泰治会長>
<質問をする 令和7年度木材活用委員会 外山勝浩委員長>

さらに、木材利用の拡大は、森林資源の循環、地域林業の活性化、CO₂削減への貢献といった観点からも重要であり、単なる建築技術の話にとどまらない、社会的意義の大きい取り組みであるという視点も示されました。

講演の締めくくりとして、東京木材問屋協同組合の飯島義雄理事は、「中大規模木造建築が禁止されていた時代から、2010年の公共建築物木材利用促進法を契機に、木材を積極的に使う時代へと変わった。CLTによって可能性が広がり、混構造によってさらに新しい建築物が都市部に増えていく中で、本日の講演内容をぜひ商売につなげていきたい」と述べられました。

今回の講演会を通じて、木材の価値と未来の可能性を深く学ぶ貴重な機会となりました。日本木青連としても、国産材の普及促進に向けて、各地域の仲間と力を合わせながら、今後も学びと実践を積み重ねていきたいと考えています。

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