2026.09.13
宮本義昭氏コラム
【宮本義昭氏コラム】木材産業を成長産業へ! 第20回
太陽光発電の安全性向上技術
東京科学大学発技術活用:シグマエナジー社
はじめに:
米国がイランを攻撃し始めてから半年以上になりました。戦闘は均衡し、いつ解決するかわからない状況になってきています。日本では米国から原油を輸入できているため、現時点では表面的に大きな問題にはなっていません。しかし、この米国の原油には米国の備蓄の取り崩し分も含まれており、いつまで輸入可能な状況が続くかはわかりません。
下記はテレビ朝日のホームページに掲載されている米国の石油備蓄の推移です。
このように急激に減少しています。
さらに日本では、ガソリンや電気料金に補助金が支給されているため、危機を実感しにくくなっているという側面も否めません。
私の知人の工務店には、太陽光発電や蓄電池設置の見積もり・施工依頼がかなり増えているようです。こうした状況をリスクと捉える人は、現時点ではまだ少ないかもしれませんが、徐々に増えています。今後、ホルムズ海峡をめぐる問題が解決されなければ、米国の石油備蓄の減少、さらには日本の石油備蓄の減少へとつながり、一気に問題が表面化する可能性もあると考えています。
木青連においては工務店事業をされている事業者さんも多いので太陽光発電や蓄電池の勉強をされており、事業として取り組まれている事業者様が多いと思います。
太陽光発電は、発電した時点では直流電流となっています。この直流部分の電線が切断されたり傷ついたりすると、アーク放電が発生し、3,000~10,000℃もの高温になることがあります。
今回はこうした事故が起因する火災や感電事故を防止する装置を製造販売している東工大(東京科学大学)発スタートアップのシグマエナジー社とその技術についてご紹介したいと思います。
シグマエナジー社:
・企業ミッション:世界に安定した電力を供給し、人類の福利に資すること。
・企業概要:東京工業大学(現東京科学大学)からスピンオフしたベンチャー企業です。メンバーは東京工業大学電気電子工学部の卒業生と元教員を中心に構成されています。東工大発ベンチャー第114号。主にフライホイール電力貯蔵装置とハイブリッド式直流スイッチの開発と販売、および電気関連の技術コンサルティングを行なっています。
太陽光発電安全停止スイッチの必要性:
太陽光発電安全停止スイッチは、米国の電気基準(NEC: National Electrical Code)で2014年に導入が義務付けられました。法規では、太陽光発電から10フィート以上離れた場所に操作スイッチを設置し、操作スイッチが操作されてから直ちにシステムの最高電圧を30V以内にすることが定められています。
現在では米国だけではなく、他の国々でも同様の法規が整備されてきています。
*太陽光発電の配線不良による火災(配線不良によりサージ電流発生し火災)
*上の画像は、消防士がいても倉庫の屋根に太陽光パネルが設置されているため、水をまくことができない状況を示しています。
*洪水による太陽光発電所の被災画像
*水は電気を通すので、洪水時、太陽光パネルは極めて危険になります。実際に感電死事故も発生しています。
日本でも喫緊の課題になっています。
*2024年元日に発生した令和6年能登半島地震では、太陽光発電設備に対する警鐘が報道された
*火災が発生しても放水できない火災現場
日本の消防庁にも危機意識
米国では消防隊員が消火活動中に太陽光パネルで感電死という痛ましい事故があり、太陽光発電安全停止スイッチ設置が義務付けられました。
世界で義務付けられる太陽光発電安全停止スイッチ
