第24回木材活用コンクール受賞作品

第24回木材活用コンクール(令和2年度)

応募総数 114
第1部門 木造及び混構造建築(構造物)300 ㎡超え 35 32%
第2部門 木造及び混構造建築(構造物)300 ㎡以下 26 23%
第3部門 木質空間(インテリア・エクステリアの木質化) 27 24%
第4部門 クリエティブユース(1~3部門以外の創造的木材活用事例<ランドスケープ・インスタレーション・家具・木製品など>) 25 22%

審査委員会

審査総評

第24回木材活用コンクールは、114の作品に応募して頂きました。残念ながら昨年の応募数から大きく減少してしまいましたが、新型コロナウイルス感染症問題の影響が少なからずあったと思われます。応募の内訳は、第一部門 36作品、第二部門 26作品、第三部門 27作品、第4部門 25作品となり、部門ごとの応募数は均衡してきております。
応募していただいた作品のレベルは年々高まってきており、今年も昨年に勝るとも劣らない素晴らしい作品が揃いました。特に第一部門は非常にレベルの高い作品が多く、激戦となりました。

建築作品に関しては、今年も様々な木材活用方法が示されました。その中でも、農林水産大臣賞受賞作品は、地元産の国産木材をふんだんに利用し、新鮮な天井の見せ方を実現した作品が、今後の国産木材の活用促進に寄与するとして高く評価されました。一方、国土交通大臣賞受賞作品は、集成材、CLT、LVLなど様々な木材を、コンピューテーショナルデザインという最新の技術を用いて効果的に表現している点が高く評価されました。林野庁長官賞受賞作品は、倉庫とオフィスが一体となった建築を、一般流通材を用いて構成し、シンプルで清々しい空間を造り上げていることが高く評価されました。

その他、優秀賞、特別賞、部門賞など、全部で22の作品が受賞対象となりました。「木材活用」コンクールと言う賞の主旨に相応しい、木材の「活用」に焦点を置いた作品を選ぶことが出来たと考えております。また、今回は特別賞として、令和2年度の日本木材青壮年団体連合会のスローガンの一部を踏襲し「未来の山創り賞」を設けましたが、日本伝統の在来軸組構法を海外に技術移転し、国産木材を輸出しようとするプロジェクトが受賞しました。日本木材青壮年団体連合会の会員の皆様に選んでいただく、木質開拓賞には、新型コロナウイルス感染症問題などに起因するテレワーク社会を反映した、個人用木製WEB会議ブースが選ばれました。

例年20作品程度が受賞作品となっていましたが、今回のコンクールでは、大変優秀な作品が多かった事もあり、22作品を受賞作品といたしました。部門ごとに、10、2、5、5作品となり、第三部門、第四部門の健闘が光りました。一方、第二部門の受賞が減ったことは残念でありました。今後も、よりレベルの高い作品が多数応募されることを期待いたします。

審査委員長
深尾 精一

審査員

(敬称略)
[審査委員長]

深尾 精一
首都大学東京(現 東京都立大学)名誉教授

[審査委員]

有馬 孝禮
東京大学 名誉教授

加藤 昌之
株式会社 加藤設計 代表取締役

古久保 英嗣
(公財)日本住宅・木材技術センター 理事長

霜野 隆
(一社)日本インテリアプランナー協会 代表理事会長

松井 郁夫
株式会社 松井郁夫建築設計事務所 代表取締役

藤田 香織
東京大学大学院 教授

齋藤 健一
林野庁 木材産業課 木材製品技術室長

遠山 明
国土交通省 住宅局 住宅生産課 木造住宅振興室長

多田 啓
日本木材青壮年団体連合会 会長

下田 智久
日本木材青壮年団体連合会 副会長

最優秀賞

農林水産大臣賞


大分県立芸術文化短期大学
キャンパス再整備(第一期)
石原 健也、西田 司、一色 ヒロタカ、徳渕 正毅
大分県立芸術文化短期大学、
デネフェス・オンデザイン設計共同体

<作品講評>
複雑に組み合わされた一般流通製材によって構成された屋根が、形を変えながら複数の棟の室内外に用いられており、キャンパスの一体感を生み出す、極めて効果的な木材活用となっている。鉄骨とのハイブリッドの手法も高く評価できる。

国土交通大臣賞

日刊木材新聞社新社屋
池田 靖史、國分 昭子
株式会社アイケイディーエス

<作品講評>
密集市街地に建つオフィスを、木材を多様な形で表現させることを目指し、様々な防災設計手法を駆使して実現した建築である。開口部に様々な機能を持たせた「三角桝格子」と呼ぶファサードは、木材の加工から組み立てまで、コンピューテーショナルデザインで造り上げており、木材活用の新しい方向を示している。

優秀賞

林野庁長官賞


清光社 埼玉支店
有井 淳生、入江 可子
アリイイリエアーキテクツ

<作品講評>
一般流通材を活用し、比較的シンプルな架構によって清々しい空間を造り上げている。倉庫とオフィスという用途の組み合わせが、規則的に配列された斜材の効果で自然に感じられることも評価できる。光の取り入れ方も秀逸である。

(公財)日本住宅・木材技術センター理事長賞


FLATS WOODS 木場
梅野 圭介、田口 裕子、島田 潤、中根 一臣、武藤 肇、片山 慎一朗
株式会社竹中工務店<作品講評>

<作品講評>
二時間耐火集成材の開発やCLT接合部の工夫などにより、12階建ての独身寮を木材主体で実現している建築である。様々な新しい技術を盛り込んで作られた意欲作であり、なによりも中高層都市木造を実現していることを評価したい。

(一社)全国木材組合連合会会長賞


飯能商工会議所
野沢 正光、稲山 正弘、小 泉誠
有限会社野沢正光建築工房、株式会社ホルツストラ、Koizumi Studio

<作品講評>
優れた意匠の繊細な木材によるラチス状耐力壁、全く新しい発想の平行弦トラス、CLT折版による大架構など、新しい技術が盛りだくさんの建築であり、地域材の活用も高く評価できる。

(一社)日本インテリアプランナー協会賞


Continuum
峯 公一郎
株式会社九銘協

<作品講評>
細いヒノキ材を矧ぎ合わせて広い板を作るにあたり、斜めに矧ぐことによって長さに制限のないカウンターを創り出すという、秀逸のアイディアである。意匠的にも斬新であり、高く評価できる。

日本木材青壮年団体連合会会長賞 


高知学園大学
横畠 康
有限会社艸建築工房、
株式会社桜設計集団構造設計室、
学校法人高知学園大学

<作品講評>
三層分の高さのCLTを、通し合わせ壁柱として用いた、意欲的な構造の大学の校舎である。庇部分に効果的にCLTを用いる一方で、在来軸組工法も組み合わせており、汎用性のある木質化を実現していることも評価できる。

特別賞

未来の山創り賞

アジア産地直送住宅
村上 心、高口 洋人、脇田 健裕、石山 央樹、橋爪 洋司、川口 香子
アジア産直住宅事業共同事業体/ADHOC

<作品講評>
アジアの大学・企業と国際協力し、日本の在来木造住宅構法を技術移転するとともに、国産木材を輸出しようとする、極めて意欲的な試みである。これからの国産木材の利用拡大に寄与するプロジェクトであろう。

部門賞

第1部門賞

アネシス茶屋ヶ坂
佐々木 喜啓、長澤 怜、水落 秀木
清水建設株式会社

<作品講評>
鉄筋コンクリートの壁とCLT壁、耐火構成木材の柱梁などを、適材適所に用いて実現した、中層耐火建築物の集合住宅である。鉄筋コンクリートとCLTを合成した床の採用なども意欲的で、高く評価できる。

第2部門賞

ANNEX TSUTENKAKU TOWER
奥村 雄樹、野口 伸、田中 はつみ、松原 由典、須賀 順子、朝川 智大
株式会社竹中工務店

<作品講評>
密集商店街の二つの重要な通路を繋ぐ、賑わいが求められる建築を、あえて木造で造ることにチャレンジした作品である。構造体である集成材の架構を顕しのまま用いていることが効果的である。

第3部門賞

きこうえん
水谷哲大
ミズタニテツヒロ建築設計

<作品講評>
トップライトの下に組まれたルーバー状の木材が、シンプルでありながら豊かな空間を生み出している。フラワーショップに相応しいインテリアとなっている。

第4部門賞

木製ブロック「ズレンガ」
浅尾 年彦
株式会社浅尾

<作品講評>
木育を目指した玩具などの木製品は、これまでにも数多く試みられているが、その中でもシステムとしての完成度が高く、更に発展させることが期待できる作品である。

木質開拓賞(日本木材青壮年団体連合会会員賞)

MOKUBOOTH
長谷川 泰治、鈴木 康史、坂口 新、檜谷 純、岡田 剛士、高橋 将治
株式会社長谷萬

<作品講評>
新型コロナウィルスの影響もあり、新しい働き方が模索される中で、個人用のW E B ブースを端材を用いて制作したものであり、木材活用の今日的な試みである。

※「木質開拓賞」について
日本木材青壮年団体連合会 会員約900名による投票によって決定。
審査会より事前に投票を行っており、審査会当日その他賞と重複した場合はその賞とのW受賞とする。

木材活用賞

銘建工業本社事務所
 前田 操治、隈 研吾、稲山 正弘、植村 公一
NKSアーキテクツ、桃李舎、
納屋、銘建工業株式会社

<作品講評>
CLT材を斜め格子状に組み合わせるという意欲的な使い方によって、豊かで解放感に溢れた空間を実現していることが高く評価できる。設計プロセスやワークプレースのあり方、熱環境・エネルギーに関する手法も興味深い。

タクマビル新館(研修センター)
(株式会社タクマ)坂本 賢治、小谷 義幸、辻田 直樹
(株式会社竹中工務店)神田 泰宏、木南 達也、福本 晃治
株式会社タクマ、
株式会社竹中工務店

<作品講評>
オフィスビルのダブルスキンカーテンウォールを木質構造で造り上げた、美しいハイブリッド建築である。層を四分割することにより、繊細なファサードとしており、木質化が効果的に活かされている。

イトイグループホールディングス
新社屋
遠藤 謙一良
株式会社遠藤建築アトリエ

<作品講評>
北海道産のトドマツを用いたCLT版を、大きなV型の壁柱として用いた、単純な平面を魅力的な空間に仕立て上げた建築である。地域材を利用した、地域の条件に相応しい建築として評価できる。

廣榮堂中納言本店
大角 雄三
一級建築士事務所 大角雄三設計室

<作品講評>
新築であるにも関わらず、木材を多用して、伝統的な街並みを再現しようとする試みは素晴らしい。異なる構造の三棟が調和していることも評価できる。

K.S. Kindergarten
Lunch House
山中祐一郎・池谷夏菜子・井上健一(構造)
S.O.Y.建築環境研究所

<作品講評>
単純な合掌構造でありながら、平面形状と高さの変化により、ねじりをもたせることによって、木の弾性力を活かした設計となっていることが評価できる。空間としても美しい。

日本圧着端子製造
名古屋技術センター別館 -Petali-
西本美代子、西本充広、岸下真理、岸下和代、波多野智章
日本圧着端子製造株式会社、一級建築士事務所 Atelier KISHISHITA、株式会社 波多野工務店

<作品講評>
扇状の細い木材をパネル化し、巧妙に組み上げた天井である。意匠的効果を狙ったものでありながら、音響をコントロールする効果も有しており、印象的な空間を構築している。

天王寺動物園ゲートエリア
「てんしば i:na」
白波瀬智幸、西村敬
株式会社竹中工務店

<作品講評>
木材とステンレスのプレート・ロッドを組み合わせて、木の葉を思わせるルーバー部分を形作った、イベント広場の屋根である。周囲の建物から軽快に支えている構成が美しく、高く評価できる。

ザ・パークレックス南麻布
ファサード改修
飯田俊介、馬場正尊、橋本誠二、宮下淳平、金田泰裕、武藤毅
三菱地所レジデンス株式会社、株式会社オープン・エー、合同会社塚越宮下設計、yasuhirokaneda STRUCTURE、
株式会社きんでん

<作品講評>
小さな木材を長ボルトで巧妙に繋ぎ合わせた、外部ファサードを構成するスクリーンである。面の捩じり方など、構造を活かした設置の仕方が効果的である。

日本の銘木BIM化 –オンラインでスマートフォンから閲覧し、3Dデータのダウンロードも可能。新しい購入のきっかけに-
廣瀬 大祐
有限会社アーキコンプレックス

<作品講評>
個別性の高い銘木の情報を3次元データ化し、オンラインで見る事が出来る様にする事で、銘木の流通・活用を大きく広げようとする取り組みであり、高く評価することができる。