第23回木材活用コンクール受賞作品

第23回木材活用コンクール(令和元年度)

応募総数 173
第1部門 木造及び混構造建築・構造物 300㎡超え 59 34%
第2部門 木造及び混構造建築・構造物 300㎡以下 58 34%
第3部門 木質空間(インテリア・エクステリアの木質化) 32 18%
第4部門 クリエティブユース(1~3部門以外の創造的木材活用事例<ランドスケープ・インスタレーション・家具・木製品など>) 24 14%

審査委員会

審査総評

 第23回目の木材活用コンクールは、昨年と同数の、173の作品に応募していただきました。応募の内訳は、第一部門59作品、第二部門58作品、第三部門32作品、第四部門24作品となり、第三部門と第四部門は昨年に比べて減少し、一昨年のレベルとなりました。その分、第一部門と第二部門の応募が増加しました。特に大規模建築部門の増加が目立っております。木材を活用した建築の飛躍的な増加がその背景にあると思われます。そして、作品のレベルはますます高まってきました。
建築作品に関しては、今年も木材の様々な活用方法が示されましたが、その中でも、農林水産大臣賞受賞作品は、県産のスギ製材1000㎥ 近くを用いて大規模な県のスポーツ施設を実現していることが高く評価されました。強度の劣る材を上手に活用していることも注目されます。一方、国土交通大臣賞受賞作品は、木材活用を進めようとする企業の研究所を、さまざまな手法を駆使して作り上げていることが高く評価されました。また、林野庁長官賞は、木材による架構方法に特徴のある東京オリンピックのための施設が選ばれました。オリンピックの開催が延期されたため、この素晴らしい施設が多くの方々の目に留まるのが遅くなったことは残念なことです。
CLTについては、ますますその活用が注目されます。他の構法と比較して、挑戦的な使い方がなされているものが多いことが、この新しい建築材料の特徴でしょう。今回選ばれた20作品のうち、5作品でCLTが活用されていました。
大臣賞・長官賞以外の賞についても、この「木材活用」コンクールという、賞の目的に適合した作品を選ぶことができました。今年は、「SDGs」賞を設けましたが、戦後植林された地のスギを用いた町の庁舎が選ばれました。そして、この作品は、日本木材青壮年団体連合会の会員の皆様に選んでいただく、木質開拓賞にも選定されました。
合計で20の作品を入賞作品としましたが、部門ごとに、11、4、3、2作品となり、昨年に引き続いて第一部門の比率が高い結果となりました。しかし、第二部門にも意欲的な作品が多くみられたことが今回の特徴でしょう。来年も、さらにレベルの高い作品を期待したいと思います。また、第三部門、第四部門の応募数の増加も期待したいところです。

審査委員長
深尾 精一

審査員

(敬称略)
[審査委員長]

深尾 精一
首都大学東京 名誉教授

[審査委員]

有馬 孝禮
東京大学 名誉教授

加藤 昌之
株式会社加藤設計 代表取締役

古久保 英嗣
(公財)日本住宅・木材技術センター 理事長

霜野 隆
(一社)日本インテリアプランナー協会 代表理事会長

松井 郁夫
株式会社松井郁夫建築設計事務所 代表取締役

藤田 香織
東京大学大学院 教授

齋藤 健一
林野庁 木材産業課 木材製品技術室長

遠山 明
国土交通省 住宅局 住宅生産課 木造住宅振興室長

亀山 武弘
日本木材青壮年団体連合会 会長

鈴木 謙司郎
日本木材青壮年団体連合会 木材活用委員会担当副会長

【受賞作品発表のお知らせ】
第23回木材活用コンクールに全国たくさんの皆様からご応募をいただき誠にありがとうございました。
総数173作品の応募の中から、予備審査をおこない76作品を選出し、審査会で受賞作品21点が決定いたしました。

■最優秀賞(農林水産大臣賞)は、「昭和電工武道スポーツセンター(大分県立武道スポーツセンター)」
(大分県、株式会社石本建築事務所、株式会社山田憲明構造設計事務所)が選ばれました。

■最優秀賞(国土交通大臣賞)は、「住友林業筑波研究所 新研究棟」
(住友林業株式会社、le style h/Atelier Asami Kazuhiro、株式会社山田憲明構造設計事務所、ヤマダマシーナリーオフィス、明野設備研究所、川田工業株式会社)が選ばれました。

■優秀賞(林野庁長官賞)は、「有明体操競技場」
(株式会社日建設計、清水建設株式会社、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、東京都)が選ばれました。

■優秀賞((公財)日本住宅・木材技術センター 理事長賞)は、「Hokkaido CLT Pavilion」
((地独)北海道立総合研究機構 林産試験場、株式会社 遠藤建築アトリエ)が選ばれました。

■優秀賞((一社)全国木材組合連合会会長賞)は、「北海道大学医学部百年記念館」
(北海道大学医学部、北海道大学工学研究院建築デザイン学研究室、都市地域デザイン学研究室、北海道大学施設部)が選ばれました。

■優秀賞((一社)日本インテリアプランナー協会賞)は、「Bar 余白」
(環境デザインワークス)が選ばれました。

■優秀賞(日本木材青壮年団体連合会会長賞)は、「砂川印刷株式会社新社屋」
(株式会社マウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所)が選ばれました。

■特別賞(SDGs賞)は、「屋久島町庁舎」
(屋久島町、アルセッド建築研究所、ホルツストラ、坂田涼太郎構造設計事務所、株式会社ウッディファーム、株式会社ヒラウチ建設)が選ばれました。

■部門賞(第1部門賞)は、「柳小路南角」
(株式会社三井嶺建築設計事務所、株式会社 坂田涼太郎構造設計事務所)が選ばれました。

■部門賞(第2部門賞)は、「檜原村下元郷公衆トイレ」
(オークヴィレッジ木造建築研究所)が選ばれました。

■部門賞(第3部門賞)は、「垂井町役場」
(株式会社 梓設計)が選ばれました。

■部門賞(第4部門賞)は、「Dinosaur of Digital fabrication 日本初「ロボット加工」による木造の恐竜全身骨格をつくろう」
(福井県立恐竜博物館、公立大学法人 福井県立大学 恐竜学研究所、国立大学法人 千葉大学、前田建設工業株式会社 ICI総合センター、前田建設工業株式会社)が選ばれました。

■木質開拓賞(日本木材青壮年団体連合会会員賞)は、「屋久島町庁舎」
(屋久島町、アルセッド建築研究所、ホルツストラ、坂田涼太郎構造設計事務所、株式会社ウッディファーム、株式会社ヒラウチ建設)が選ばれました。

■木材活用賞は、「小林市庁舎 東館」
(株式会社 梓設計)が選ばれました。

■木材活用賞は、「香南市総合子育て支援センター「にこなん」」
(艸建築工房)が選ばれました。

■木材活用賞は、「浦和明の星女子中学・高等学校 カフェテリア棟」
(学校法人明の星学園、清水建設株式会社、東京大学大学院)が選ばれました。

■木材活用賞は、「兵庫県林業会館」
(兵庫県林業会館新築工事建築実証協議会、株式会社竹中工務店、竹中工務店・大和ハウス工業特定建設工事共同企業体)が選ばれました。

■木材活用賞は、「糸魚川市駅北大火復興住宅」
(スタジオ・クハラ・ヤギ+team Timberize)が選ばれました。

■木材活用賞は、「長門市本庁舎」
(長門市 + 東畑建築事務所・藤田建築設計事務所・M.DESIGN ASSOCIATES一級建築士事務所 設計共同企業体)が選ばれました。

■木材活用賞は、「方眼の間」
(株式会社 古森弘一建築設計事務所)が選ばれました。

■木材活用賞は、「卓球台 infinity」
(株式会社三英)が選ばれました。