第21回木材活用コンクール(平成29年度)

応募総数 170
第1部門 木造及び混構造建築・構造物 300㎡超え 47 28%
第2部門 木造及び混構造建築・構造物 300㎡以下 71 42%
第3部門 木質空間(インテリア・エクステリアの木質化) 28 16%
第4部門 クリエティブユース(1~3部門以外の創造的木材活用事例<ランドスケープ・インスタレーション・家具・木製品など>) 24 14%

審査委員会

審査講評

 第21回目の木材活用コンクールは、約170の作品に応募していただきました。昨年に比べ少し減少しましたが、作品のレベルはますます高まっております。応募の内訳は、第一部門47作品、第二部門71作品、第三部門28作品、第四部門24作品となり、第三部門と第四部門は減少したものの、第一部門と第二部門の応募件数は、ほぼ昨年と同様でした。
 建築作品に関しては、今年も木材の様々な活用方法が示され、木材を活用した大規模建築は、時代の先端を行くものとなっております。そのなかで、農林水産大臣賞受賞作品は、木質ハイブリッド構造で7階建てのオフィスビルを建設したもので、そのチャレンジが高く評価されました。一方、国土交通大臣賞受賞作品は、学校の校舎に木材を多量に用い、デザインとして優れ、環境性能もよい建築であることが高く評価されました。この二つもそうですが、ハイブリッドな木材の使い方、混構造の建築が多く見られました。もう、木造・鉄骨造・RC造という建築の分類が意味をなさない時代に入ったと言ってもよいかもしれません。まさに木材を適材適所に活用する時代だと思います。また、CLTを用いた作品も増えてきました。大臣賞以外の賞についても、「木材活用コンクール」という、この賞の目的に適合した作品を選ぶことができました。日本木材青壮年団体連合会の会員の皆様が選定するという会員特別賞も定着してまいりましたが、今年は、他の賞との重賞とはならず、鉄道車両の内装デザインが選ばれました。
 審査結果ですが、第一部門の、「木造及び混構造建築・構造物の大規模部門」は力作ぞろいで、選考にあたった審査員の方々も、今年も候補を選び出すのに苦労されていました。
 全部で20の作品を入賞作品としましたが、部門ごとに、8、6、4、2作品となり、この比率もほぼ昨年と同様になりました。また、今年は、都市景観賞を設けましたが、都心に建つ集合住宅への木材の活用事例が選ばれました。

審査委員長
深尾 精一

審査員

(敬称略)
[審査委員長]

深尾 精一
首都大学東京 名誉教授

[審査委員]

有馬 孝禮
東京大学 名誉教授

加藤 昌之
株式会社加藤設計 代表取締役

古久保 英嗣
(公財)日本住宅・木材技術センター 理事長

霜野 隆
(一社)日本インテリアプランナー協会 代表理事会長

松井 郁夫
株式会社松井郁夫建築設計事務所 代表取締役

藤田 香織
東京大学大学院 准教授

井口 真輝
林野庁 木材産業課 木材製品技術室長

武井 利行
国土交通省 住宅局 住宅生産課 木造住宅振興室長

荒井 浩
日本木材青壮年団体連合会 会長

 

最優秀賞

農林水産大臣賞


 

 国分寺フレーバーライフ社本社ビル
 八木 敦司、久原 裕、桐野 康則、安井 昇
スタジオ・クハラ・ヤギ+team Timberize、KAP(構造)、桜設計集団(防耐火)
 〈詳細資料〉国分寺フレーバーライフ社本社ビル

<作品講評>
木造と鉄骨造のハイブリッド工法で建てられた7階建てのオフィスビルであり、今後の更なる発展に期待したい

国土交通大臣賞


写真撮影/日暮雄一

 栄光学園 70周年事業 新校舎
望月 伸一郎、崎山 茂、岩村 雅人、赤瀬川 仁、輿石 秀人、島村 高平
 栄光学園、日本設計・大成建設一級建築士事務所設計共同企業体
 〈詳細資料〉栄光学園 70周年事業 新校舎

<作品講評>
木と鉄とRCのハイブリッド構造で、温かみがありシンプルかつ省エネにも配慮した空間を作り出している

優秀賞

林野庁長官賞


 熊本県総合防災航空センター
 小川 次郎
 アトリエ・シムサ+ライト設計共同企業体
 〈詳細資料〉熊本県総合防災航空センター

<作品講評>
地元産流通材を上手く組み合わせて、変化のあるトラスで大空間を実現しており、木造の可能性を広げている

(公財)日本住宅・木材技術センター理事長賞


撮影/アキュラホーム
 吊り梁のシルエットルーフ
(アキュラホームつくば支店)
 飯田 貴之、藤田 克則、 蒲池 健(構造設計)、塚谷 誠(施工者)
飯田貴之建築設計事務所、Live Haus 建築設計所、KMC、株式会社 アキュラホーム
 〈詳細資料〉吊り梁のシルエットルーフ
(アキュラホームつくば支店)

<作品講評>
小径材を縦に重ね合わせてR屋根を作るというアイディア溢れる発想で、見事な外観と空間を演出している

(一社)全国木材組合連合会会長賞

 宿毛商銀信用組合本店
 横畠 康
 艸建築工房
 〈詳細資料〉宿毛商銀信用組合本店

<作品講評>
CLTを大断面集成材や張弦梁構造と組み合わせ、美しいデザインとなっているCLTの応用的事例である

(一社)日本インテリアプランナー協会


撮影/鳥村鋼一
 山香煎餅本舗 銀座店
 稲山 貴則
 稲山貴則建築設計事務所
 〈詳細資料〉山香煎餅本舗 銀座店

<作品講評>
単一寸法の木材のみで構成されているため統一感があり、インパクトのあるデザインとなっている

日本木材青壮年団体連合会会長賞 

 H.P. ∞プロ⇔学生による曲面⇔直線のバス停∞ ~ポテトライナー清水バス待合所~
 紺野 巧、紺野 将、山脇 克彦
 紺野建設 株式会社、株式会社 山脇克彦建築構造設計
 〈詳細資料〉H.P. ∞プロ⇔学生による曲面⇔直線のバス停∞ ~ポテトライナー清水バス待合所~

<作品講評>
高校生とデザインした 3 次元のカーブ屋根を角材で作り上げた力作であり、若者の今後の活躍に期待したい

特別賞

都市景観賞

西参道テラス
 石川 素樹
 株式会社 石川素樹建築設計事務所
 〈詳細資料〉西参道テラス

<作品講評>
都会の中で外周を囲う杉のルーバーが美しく映えており都市景観の木質化のモデル的事例である

部門賞

第1部門賞


撮影/輿水 進
 羽黒高等学校新校舎
 小泉 治、青木 潤
 株式会社 日本設計
 〈詳細資料〉羽黒高等学校新校舎

<作品講評>
50年前に植えた学校林を利用して建てた、現代の木造3階建て校舎であり、その意義は大きい

第2部門賞

 「手紙処と手紙標」
 押尾 章治、廣村 正彰
UA、廣村デザイン事務所
 〈詳細資料〉「手紙処と手紙標」

<作品講評>
正倉院にも使われている伝統的工法の校倉造りでありながら、シンプルで現代的なデザインになっている

第3部門賞

 【木の渦】やきとり ひびき庵 別館 志木駅南口店
 木元 洋佑、吉村 明、吉楽 広敦、鈴木 一太郎、大石 尚子
 木元洋佑建築設計+IYs -Inoue Yoshimura studio-+tuki lighting office
 〈詳細資料〉【木の渦】やきとり ひびき庵 別館 志木駅南口店

<作品講評>
焼き鳥のチェーン店に積極的に木材利用をしており、連続するなぐり加工の壁が美しい

第4部門賞

フクラシア丸の内オアゾ
藤井 誠 、 山田 奈津子、齊藤 隆、池之上 拓也
 FIELD FOUR DESIGN OFFICE
 〈詳細資料〉フクラシア丸の内オアゾ

<作品講評>
木の良さを活かしつつデザイン性が高く、都会のビルにマッチした温かみのあるカウンターとなっている

木質開拓賞

日本木材青壮年団体連合会会員賞

D&S列車 特急「翡翠山翡翠」
 青柳 俊彦
 九州旅客鉄道株式会社
 〈詳細資料〉D&S列車 特急「翡翠山翡翠」

<作品講評>
地元産の良質な木材をふんだんに使った豪華な車両であり、乗客が木の良さに改めて気付くことを期待する

※「木質開拓賞」について
日本木材青壮年団体連合会 会員約900名による投票によって決定。
審査会より事前に投票を行っており、審査会当日その他賞と重複した場合はその賞とのW受賞とする。

木材活用賞

 桐朋学園音楽部門仙川新キャンパス
 前田 操治、隈 研吾、稲山 正弘、植村 公一
 前田建設工業株式会社、隈研吾建築都市設計事務所、
ホルツストラ、株式会社インデックス コンサルティング
 〈詳細資料〉桐朋学園音楽部門仙川新キャンパス

 

 竹谷商事新社屋
 井上 久実
 井上久実設計室
 〈詳細資料〉竹谷商事新社屋

 

 House NI -裏とオモテと境界-
 神谷 勇机 、石川 翔一
 1-1 Architects 一級建築士事務所
 〈詳細資料〉House NI -裏とオモテと境界-

 


撮影/山田薫
 サンカク
 篠原 聡子、金子 太亮
 空間研究所
 〈詳細資料〉サンカク

 

 SPIRAL GARDEN
 芦澤 竜一
 芦澤竜一建築設計事務所
 〈詳細資料〉SPIRAL GARDEN

 


撮影/河野政人(ナカサ&パートナーズ)
 ウッディパーツ第2工場オフィスリノベーション
 池田 暢一郎
 池田建築設計
 〈詳細資料〉ウッディパーツ第2工場オフィスリノベーション

 

 肥後木材プレカット倉庫
 島村 徹
 有限会社島村建築設計事務所
 〈詳細資料〉肥後木材プレカット倉庫

 

第21回木材活用コンクール審査会を終えて

 この度は「第21回木材活用コンクール」にご応募いただき誠にありがとうございました。
 3月11日(日)㈱内田洋行様 新川オフィス ユビキタス協創広場にて、第21回木材活用コンクールの審査会を開催しました。今回は、総数170作品の応募をいただき、その中から、予備審査を通過した77作品が審査対象となり、20作品を選定いたしました。非常に数多くのレベルの高い作品の中から、受賞作品を絞り込んでいくのは審査員の皆さんにとって苦渋の決断であったと思います。惜しくも選に漏れた作品にも、「木の良さを活かした作品」が数多くあり、審査に立ち会った私の感想としては受賞されるかどうかは本当に紙一重だなと感じました。当コンクールをきっかけに今後ますます木材を活かした様々な建築物や家具、遊具などが新しく計画され、生み出されることを切に願っております。
 今回の「第21回木材活用コンクール」を開催するにあたり、後援、協賛をいただきました各種団体・企業の皆様、厳正な審査をしていただいた深尾審査委員長をはじめとする審査員の皆様、そしてコンクール開催にご応募くださった全国各地の皆様に心より感謝申し上げます。

平成29年度日本木材青壮年団体連合会
木材活用委員会 委員長 佐藤 圭一郎